工学分野から物理になったものってなぁんだ?

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物理は最も基礎的な科学で、そこから応用されているのが工学(エンジニアリング)と理解されているとおもいます。

もちろん、大部分はそうなのですが、たまに、工学分野で発展し始めた話題を、科学的に見ることによって、新しい物理の分野になった物もあります。

それが、熱力学です。そもそも、エンジニアが蒸気機関車などのエンジンの機関を研究することから始まりました。

もちろん、物理は関係なく、いかに熱を効率的に仕事に変えていくかが問題でした。

その後、科学者が、よくよく考えたら、熱と仕事の理論ってないんじゃないの、ということで、急遽、このエンジンの研究から熱物理が作られました。

熱というものを、エネルギーと仕事と一緒にうまくつなぐことで一つの物理理論ができていきました。

仕事というのは、物理では、力 \times 距離と定義されます。外部の力によって、どれだけの距離を動かしたかが、物理における仕事で、エネルギーと同じ単位を持ちます。

熱力学でも仕事がありますが、圧力 \times 体積という表現になります。(数学が得意な方は、これが力 \times 距離と同じであることは、すぐに証明できるでしょう)

もちろん、エンジンの熱から来る圧力と、どれくらいの体積をピストンが動いたか、ということです。

このような定式化から、もっと基礎的にエンジンの働きなどが見えてきた、というのが熱力学の始まりです。

よく、物理学者とエンジニアは互いに、からかったりしています。(僕はしませんが)物理学者は、物理の方が工学よりも崇高な学問だ、とか。工学は物理よりも人類に直接的に役に立つものを作っている、などなど。

この例でもそうですが、互いに持ちつ持たれつ、なんですけどね。本当は。(笑)

大人のための家庭教師

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