そもそもブラックホールとはなにか?(2019年4月11日)ブラックホール撮影記念

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ブラックホールというと、かつてはSFのようなもので、理論的には存在可能であっても実際にあるのかどうか、長い間議論されてきたものです。

間接的に観測としては、非常に強いX線を白鳥座のあたりで検出されて、恐らくブラックホールではと言われていたものもありました。今回は、世界各国の観測地からのデータを集結して、ブラックホールの画像を撮ったというのは、素晴らしい進歩でもあるでしょう。

当然、「これが何の役に立つのか?」という質問も出てくるでしょうが、科学の進歩は、すぐには役に立ちませんが、将来長きにわたって役に立っていくものです。

今日、テレビで、「ブラックホールに光が引っ張られるって何?」、「光が重力によって引っ張られるの?」という質問があって、そこには物理学者がいなくて、誰も答えられませんでした。そこで、少し簡単にですが、素人にもわかるように説明してみましょう。

そもそもは、重力から脱出する、とはどういうことでしょうか。地球を考えてみて、飛行機では、地球の重力圏からは逃れられません。でも、ロケットは地球の外に出ていけます。理由は、それだけのスピードを出せるからです。この速度を第2宇宙速度と言い、約11.2km/sです。時速では、40300km/hになります。

言葉を変えると、その速度があれば、地球の重力に打ち勝てるということです。ところで、重力はどのように決まるのでしょうか?この力は、物体の質量と半径によって決まります。質量には単純に比例しますが、半径には2乗に反比例するので、同じ質量で半径が小さければ小さいほど重力が大きくなります。

では、光のスピードを持ってしても脱出できないほどの重力をもつ天体の質量と半径は、どのようになるでしょうか?とりあえず、ここでは、質量を一定にして、半径がどれだけ縮むと重力が光を「捕まえる」のかを考えてみましょう。

例えば、太陽を考えてみましょう。太陽の半径は695510kmです。実は、これが3kmまで縮むと、光の速さでも重力にあらがうことができなくなります。これが、いわゆるブラックホールになります。

もちろん、太陽がそこまで縮むのは不可能ですが、他の天体で条件がそろえば、光でも抜け出せない重力になるのです。面白いですよね。

大人のための家庭教師

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