【連載】大人の家庭教師 数学編 第2回:確率の話し(後編)
■選んだ箱を変えることで確率が変わるのか
家庭教師「では、ここで司会者があなたに訊ねます。“あなたはAを選びましたが、今ならCに変更してもいいですよ”と。あなたはここで、Aのままの方が当たる確率が上か、Cに変えた方が当たる確率が上か、それともどちらも変わらないのかを考えて、箱を選び直せるとします。あなたはどちらの箱を選びますか?」
大人「AもCも同じ50%なので、ここで変えようが変えまいが、確率的には変わらないと思います。変えても意味がありませんので、だったら、ここは正々堂々と最初に選んだAのままでいきたいと思います!!」
家庭教師「変えようが変えまいが、確率的には変わらない。本当にそうでしょうか?」
大人「Bがなくなって、残った選択肢は2つだけになったんですよね。Aに入っている確率は50%、Cに入っている確率も50%なので、ここでどちらを選んでも確率は同じです。これは、子どもでもわかる数学の問題だと思います。」
■日常生活の中の確率
家庭教師「わかりました。それではいま、あなたの元に、中身の分からない100個の箱が並べられてきたとしましょう。」
大人「一気に数が増えましたね。」
家庭教師「はい。この中に同じくひとつだけに賞金が入っているとします。他の99個には何も入っていません。あなたは一番目の箱を選んだとします。選んだ箱はひとつだけですが、便宜上、これをひとつのグループとして考えて、ここでは『Aグループ』として考えることにします。そして、残りの99個のグループを『Bグループ』とします。この時点でAグループに当たりが入っている確率、Bグループに当たりが入っている確率はそれぞれいくつになりますか?」
大人「僕が選んだAグループは1%、Bグループに入っている確率は99%ですね。これも、子どもでもわかる数学の問題ですね。」
家庭教師「どちらのグループに当たりが入っていると思いますか?」
大人「ほぼ間違いなくBグループに入っていると思います。」
家庭教師「わかりました。それではいまから100個の箱を開けていきたいと思います。Aグループの箱はそのままにして、まずはBグループの箱を開けていきます。すると、98個開けても当たりが出ませんでした。Aグループのひとつと、Bグループのひとつの二つだけになりました。」
大人「最初のA・B・C、3つの箱の問題と同じ状況になりましたね。」
家庭教師「再度確認ですが、Bグループに当たりが入っている確率は何%でしたっけ?」
大人「99%…です。」
家庭教師「その通りです。そして司会者はあなたに訊ねます。“あなたはAグループを選びましたが、今ならBグループに変更してもいいですよ”と。あなたはどちらの箱を選びますか? 」
大人「なんかBに変更した方がいい気がしてきました(笑)」
【解説】モンティ・ホール問題とは?  ベイズ確率における事後確率、あるいは主観確率の例題のひとつとなっている確率論の問題。 モンティ・ホールが司会を務めるアメリカのテレビ番組「Let's make a deal」の中で行われたゲームに関する論争に由来。 「直感で正しいと思える解答と、論理的に正しい解答が異なる問題」の適例とされる。

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