本当の教育は、クイズ王を育てるのではありません!

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クイズといえば、誰が勝つか、どのチームが優勝するかを演出して、見ている人たちも興奮する番組を思い出すと思います。昔、日本であった「クイズ100人に聞きました」は、知識に関する問題ではないですが、チームに分かれて勝負をする形式です。このクイズ番組、元々、アメリカの番組をまねしたもので、アメリカでは、今でもテレビでやっています。

他にも、「アメリカ横断ウルトラクイズ」というのもありました。これは、個人戦で知識を競い合うタイプのクイズです。

最近では、いわゆる、日本の小中高で出題されるような知識を問題にするクイズ番組が多く、クイズと受験、大学名などを紐づけた感じで、視聴者を引き付けているようにも見えます。

まぁ、ショーとして、見る分には、楽しいですし、問題はないのですが、実際の教育とクイズ王になることとは、違うのでは、というお話をしたいと思います。

そもそも教育とは、必要な「道具」の使い方を教えながら、どのように未来を切り開いていくか、また、切り開くにあたって、過去の偉人たちがどのように対処したのか、その判断は、今でも有効か、など、個人の人生と、コミュニティ、国家、世界とのかかわり方を育んでいくものです。

小学校では、「道具」、すなわち、言語や数字の使い方を主に学び、それをもとに、基本的な知識を習得します。中学校では、より、高度で複雑な知識と、それをもとに身の回りを超える知識に触れていきます。

そして「最後」に高校では、大学入学のために「クイズ王」になる訓練を受けます。ある意味、中学レベルでも、受験のためのクイズ王養成といってもいいかもしれません。

これは、知識を切り取って、それが答えとなるような問題を作り、それが出題されると、素早く、しかも、正確に、期待された答えを答えるという動作を繰り返すものです。

ほとんどの人は、「これの何が問題なんですか?」と聞きたくなると思います。もちろん、訓練そのものは、悪いことではないですが、それだけに集中すると、結局、社会にとって意味のない人材を育ててしまうことにもなります。

まず最初に、クイズ王になるには、何をしているのでしょうか。当然、問題の研究をします。次に、いかに素早く、解答するかを訓練します。また、いかに多くの点を取るための戦術なども学んでいきます。

これをやっていれば、確かに、クイズ王(受験の勝者)になれるでしょう。しかし、このような知識が、現実に使えるのでしょうか?

「こうきたら、こう答える」だけの訓練を受けている人は、前例がなければ、立ち往生します。そして、問題のたらいまわしか、先送りをしてしまうでしょう。

断片的な知識を習得してきた人は、その知識の適用範囲を間違えてしまうこともあります。例えば、憲法の条文を個人に適用するような間違いも、そういうところから来ています。また、その知識をもとに議論もできない人も多くなります。

あとは、点数主義に陥りやすいので、点数にならなければやらなかったり、点数を取るために、「ズル」をしたり、点数さえ取れれば、それ以上やらなかったりします。

また、上から与えられっぱなし、つまり、問題を出題されてから実力を発揮するだけの人たちなので、自分から問題を発見できない、すなわち、問題意識が低くなる傾向にあります。

世の中を見ていると、立派な肩書を持つ、政治家、官僚、また、その他の業界人が上のような人材になっているように見えるのですが、単なる錯覚なのでしょうか?

大人のための家庭教師

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